生き物はなぜ死ぬのか
こんばんは。
上田@神楽坂のオフィスです。
今日は、
「オンリーワンの個性を発揮することは
人類全体に貢献する」
ということについて
最近読んだ第一線の生物学者の著書を通して
考えてみたいと思います。
「生物はなぜ死ぬのか」小林武彦著
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本書では、
原生動物からヒトに至るあらゆる生物が
なぜ必ず死ぬように生まれついているのか、
が分かりやすく述べられています。
結論から言えば、
種が生き延びるために必ず死ぬようにできている、
ということであり、
言い換えると、
子孫を残して自らは先に死ぬ
という生態を獲得できなかった生き物は、
すでに絶滅しているということです。
確かに、子孫を残さずに自らが死なないで生き続ける、
という生き物の存在は想像しにくいし、
子孫を残しながらも自らも死なない、
ということであれば、
単純に個体数が増え続けて
やがて食べるものが無くなって種全体が餓死してしまいますよね。
いずれにしても、
たえず変化していく地球上の環境で生きていくためには、
自らも変化し続けないといけません。
そのためには、
環境の変化に適応するための多様性を身に付けないといけないのです。
多様性を生み出すために、
多くの生物が身につけた性質として、
父母のDNAを組み合わせて、
強引に多様化するという仕組みがあります。
種の存続を、
新しいDNAを持った若い世代に託すことによって、
進化を押し進めるというわけです。
このことから、
人類の進化にとっての年長者の大切な役割は、
歴史や経験的な知恵を
若い世代に伝えるということよりも、
若い世代の人たちが自らの個性を全開にして生きる、
その背中を押すことだと言えます。
経験的な知恵の内容と、
若者たちが伸ばそうとする個性の内容は、
当然のことながら、多くの矛盾があります。
若者の個性の中には、
これまでの経験では対応できなくなった
未来の環境への適応の可能性が含まれているからです。
なので、優先順位としては、
まずは個性を発揮することが最優先で、
経験や歴史というのは情報として参考にするにとどめる、
ということが大切になります。
よく言われる社会の圧力というのは、
その順番を逆転させようとする
外からの力だという見方もできます。
個性を発揮することのほうが大切だ、
ということを、
一人ひとりが自覚していく必要がありますね。
まず自分の生き方としてそれを自覚するとともに、
人の生き方に対するアドバイスや干渉についても
その優先順位を大切にしていきたいものです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
素敵な夜をお過ごしください。