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養成講座の方向性について ー わかりにくくてもいい。複雑な人間は複雑なまま受け入れる。 ー

おはようございます。上田です。

養成講座は毎年、環境の変化を加味しながら、
縁あってその期に受ける人たちに
最適なものを提供するという方針で工夫を重ねてきましたが、

基本的にはヒューマンデザインがどうしたら、
もっと『わかりやすく』実感できるものになるかという工夫が中心でした。

しかし昨年、私自身の中で大きな変化が生まれました。

それは、ヒューマンデザインが
人間一人ひとりの中にどんな価値をもたらすのか、
別の言い方をすれば、
自分を理解するためのツールは
世の中にいくつもありますが、
ヒューマンデザインでなくてはならないところはどんなところなのか?
という点について、
自分の中で深く考えるようになり、
その結果大きな変化が生じたのです。

この変化をひとことで言えば、これまでは
ヒューマンデザインをできるだけ『わかりやすく』伝えることで、
多くの人に役に立ててもらおうと思ってきましたが、

『わかりにくくていい』
のではないかと思うようになったということです。

実際、人間はとても複雑な存在です。

複雑なものを、複雑なまま、いかにしっかりと説明するのか、
何十億通りものそれぞれ違う人間がいる、
その何十億通りの特徴をできるだけ忠実に言葉で説明できる、
そこにこそ、ヒューマンデザインの役割があるのではないか、
ということに、あらためて気づいたのです。

ヒューマンデザインのチャートを見た時に、
多くの方が「ちょっと難しそう」
という感想を持ちます。

その時、これまでは
「難しそうに見えますが、実際はシンプルですよ」
という答え方をしてきました。

実際に、すべての人はたった4つのタイプに分類することができ、
それぞれのタイプには
ストラテジーと呼ばれる行動指針と、
自分らしくいられている時と、
いられていない時の感覚が示されているので、
それを頼りにすぐにでも自分らしい生き方を始めることができます。

しかしその一方で、
ストラテジーの感覚や、
自分らしくいるとき、自分らしくないときの感覚は、
すべて、それぞれ一人ひとり固有の体感であり、
本人にしか分からないものです。

4つのタイプを前面に出して、
ヒューマンデザインはシンプルであること、
これだけ分かれば大丈夫である、
という言い方をしながら説明してきましたが、

実際、ヒューマンデザインでは4つのタイプ以外に、

7種類の権威、
12種類のプロファイル、
意識的に持つものと無意識的に持つもの、
5種類の定義型タイプ、
9つのセンター、
3つの回路群とその偏り、
6つの回路、
36本のチャネル、
64個のゲート、
192種類の魂の使命、
さらには、
384種類のライン特性、

などなど

無料チャートの図から見て取れるものだけでもこれだけあり、
さらに、
その深層にはまた違った重要な情報が山ほど存在しています。

ヒューマンデザインに初めて出会う人には、
できるだけ多くの人に
ヒューマンデザインに親しみをもってもらおうと、
多くの要素があることを敢えてはじめから伝えていませんでした。

しかし私の中で、ヒューマンデザインの役割は
一人ひとり全く違う複雑な人間を、
複雑なまま受け入れ、
その複雑さに寄り添い、
複雑なままいかに躍動させていくのか。

それがヒューマンデザインにしかできない役割なら、
はじめからそのように伝えていきたい、
という思いがとても強くなりました。

ただ当初は養成講座は養成講座として、
ヒューマンデザインを体系的に学ぶことを
目的とした方に向けて、
わかりやすさに主眼を置いて行ない、
複雑で難解な人間への取り組みは、
私自身の研究として、ヒューマンデザインを活用しながら
探求していけばいいと思っていました。

しかし9ヶ月の長期にわたる学びの中で、
自分の探求結果も是非共有していきたい、
そのためには、
ヒューマンデザインをわかりやすくではなく、
初めから、ヒューマンデザインは複雑で、
複雑だからこそ取り組みがいがある

という気持ちで受講してくださる方に
伝えていきたいという思いがますます強くなってきて、
その思いを伝えながら昨年の9期を実施しました。

毎月の講座の中で、
ヒューマンデザインや人間そのものの複雑さや難解な性質について
取り組む時間をとり、
私自身も一緒に考える場を持つことにしました。

たとえば、
初日はリビングユアデザインという初級講座の内容から入るのですが、
初級講座の大切なポイントは、
本来、自分固有の決断方法と、行動の手順を知るとともに、
自分らしい選択や行動を邪魔しようとする要因に取り組むことです。

これまでは、
その大切なポイントの実践にのみ
フォーカスして伝えてきましたが、
9期では、
そのテキストの中に書かれている、
「為無為(無為をなす)」という老子の言葉についても
時間をとって考察していくことに取り組みました。

「何もしないことをする」とか
「行動しないことをする」
という意味として解釈されるこの言葉は
難解ではありますが、
ある意味、ヒューマンデザインの真髄でもあるからです。

もちろんそういう時間をとったからといって
すぐに人間の複雑性が分かるわけではありません。

しかし、ヒューマンデザインの知識を
複雑な部分を含めて学び続けることによって、
人生の中で常に意識するといい
重要な「問い」を提供できたと思います。

実際受講生の方たちから
「難しすぎてまったく分からなかった」
という声はほとんどなく、

人間の複雑性について感じたり、
理解が深まったり、
その面白さに魅了されたという声が多くて安心しました。

なので、今期の養成講座も、
こちらでプログラムを完成させてから
提供するだけではなく、
私自身の中での気づきもリアルタイムで共有しながら提供していきます。

このような主旨に賛同してくださる方々と
今年の養成講座10期も進めていきたいと思います。

私も含めて、今回養成講座10期に参加する一人ひとりが
人間は複雑であり、その複雑さを複雑なまま迎え入れようとしているのが
ヒューマンデザインだ

ということを受け入れてさえいれば、
あとはその場の化学反応でいつものように、
素晴らしい気づきがもたらされるものと確信しています。

複雑なものを複雑なまま受け入れるというところから、
ヒューマンデザインの情報を再構築していくと、
私自身も視点がとても高くなる感覚があります。

宇宙という視点で人間を見る、
地球という生命体の中で人間を見る、
という感覚に近いものがあります。

ヒューマンデザインの知識は、
飽きることなく、毎日の人生に寄り添い活かせる、
一生楽しめるものです。

まずはミニセミナーでお会いできることを楽しみにしています。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

今日も素敵な一日を。