―― ヒューマンデザイン紹介ビデオの最後に、Love your self (自分自身に愛を)とありますが、 これは、ヒューマンデザインのスローガンでもあるのですか?
スローガンといいますか、ヒューマンデザインを知るのとほとんど同時に聞いたメッセージなのですが、創始者のラーがいつも話していたことでもあり、実際、彼のメールの最後には必ずLove your selfと書かれていました。すべてはここから始まるとも言えます。
ただ、自分自身を好きになるといっても、好きとか嫌いというのは感情の問題なので、そう簡単になれといわれてなれるものではないと思います。ところがヒューマンデザインの考え方を理解し実生活で取り入れてみると、結果的に自分自身のことが好きになっていくということです。
日本人の私たちには「自分を愛しなさい」ということに馴染みがなかったり、自分を好きだということは、わがままなことだとか謙虚ではないというふうにも取られがちですけれども、これからお話したいと思っているヒューマンデザインジャパンが目指すもの、目指す社会、目指す世界にとって、「自分自身に愛を」ということはすべての中心になっていきます。
―― Love your selfについて創始者ラーはどのように話していたのでしょうか。
「頭で決めずに、あなたの内なる権威に従うことからすべてが始まる」
―― ヒューマンデザインでは、それぞれのタイプの方針と内なる権威に従って生きることが一番大切だといわれていますが、それはどういうことなのでしょうか?
―― 頭で決めないということは、それ以外で、どこで決めるのでしょうか? たとえば、一般的には、感情で物事を決めてはいけないといわれることが多いですが。
―― 感情で決めるのに感情にまかせてはいけないというのは、一体どういうことなのでしょうか?
―― 私はかつて、情報を分析しいろいろなことを勘案しものごとを決めることが多かったのですが、それは頭で決めていたということでしょうか?
―― 今のお話のような損得勘定抜きに考えるべきだということは、たとえば、「最後は自分の信じる道を行けばいい」とか「自分の心に正直に生きることが大切である」など、すでにいろいろな本が出版され、多くの方が伝えていることでもあると思うのですが。
―― 自分の内なる権威に従って決め行動していくと、どうなるのでしょうか?
「ヒューマンデザインとは、究極の幸福論」
―― ヒューマンデザインのいう幸せとは、どのようなものなのでしょうか。
世の中には、こうすれば幸せになるとか、こうすればお金を稼げるという本などに書かれている、ある種の成功哲学や幸福論があふれかえっていますが、それらをよく吟味してみると、それらが語っている成功や幸福は他の人の失敗や不幸がなければ成り立たないものになっています。全員が一億円を手にしてしまったら、お金の価値なんてなくなり、本の通りの成功や幸せにはならなくなってしまいますから。周りの人は持っていないが自分は持っている、周りの人はうまくいっていないが自分はうまくいっているから、成功、幸せと定義されているのです。
また、すべての人が互いに尊重し合い思いやりにあふれ、ズルイ人やねたみを持つ人がひとりもいない社会が実現できたとしたら、逆にどこか薄っぺらくつまらない世の中だと感じてしまうかもしれません。
ヒューマンデザインでは、人を挑発し嫌な思いをさせる役割の人や大事なこともすぐに忘れてしまう人、一生、試行錯誤をくりかえす人、自分のエゴを人に押し付ける人、何事もすぐに決められない優柔不断な人、一生、自己のアイデンティティを確立できない人、人をだます使命をもつ人など、多少誤解をまねく表現かもしれませんが、生まれつきのデザインとして定義されます。 自分のデザインを生きればたとえそれがどんなものであっても、自分自身が生きがいを感じ、結果的に世の中に最も貢献することになるのです。 ヒューマンデザインの内なる権威に従って行動すると、必ずしもお金を稼げたりみんなから尊敬されたりする人生にはならないかもしれませんが、本人にとっての完璧な成功哲学なのです。
ヒューマンデザインは、すべての人が幸せになる(自分の人生に満足できる)究極の幸福論だと思っています。